言語聴覚士と神経心理学

言語聴覚士が神経心理学に関することを徒然なるままにつづるブログです

神経心理学との出会い 高校生編

はじめまして、karashirenkonです。

 

このブログのタイトルにもある、言語聴覚士神経心理学に自分はどのように関わることになったのかについて、今回書かせていただこうと思います。

 

これを話すと年齢がばれるのですが、私が高校生の頃、NHKスペシャルのシリーズもので、“脳と心”という番組がありました。

 

このシリーズ中の記憶の回に、重篤な記憶障害を呈した若い男性が紹介されたのです。

 

彼は弁護士を目指すほどの優秀な方でしたが、脳の疾患により少し前の出来事もおぼえていることが難しくなってしまいました。

しかし彼は全く記憶の機能をなくしてしまったわけでなかったのです。

 

彼には手続き記憶の機能は残されていました。

 

記憶は大まかに、陳述記憶という言葉で説明できる記憶と、言葉で説明できない非陳述記憶の二つに分かれます。

陳述記憶には海馬の機能と関係がありますが、非陳述記憶は大脳基底核や小脳が関係するなど、機能だけでなく機能をつかさどる場所も異なります。

手続き記憶はこの非陳述記憶の一つで、自転車の乗り方や泳ぎ方など、いわゆる技(わざ)の記憶が例として挙げられます。

 

彼は手続き記憶を活用して、新たに家具職人として生きていくことになった…

という結末でした。

 

高校生だった私はこの番組を観て、非常に衝撃を受けました。

 

記憶にはいろいろな種類があること

ある記憶は重篤な状態であるのに、一方の記憶は保たれいること

保たれている機能から、新しい可能性を見いだせること

そういったことが高校生の私には興味深く、脳の機能を勉強したい、関係する仕事につきたい、と思うようになりました。

 

この番組で扱ったこと、それこそまさに神経心理学だったのですが、当時の私にはそんな名前の学問があることを知りませんでした。

また、言語聴覚士という仕事はまだ国家資格化されていませんでした。

 

次回は大学生編を書く予定です。